空き家の行政代執行は、行政が所有者等に代わって必要な措置を行う制度で、費用が無料になる仕組みではありません。通知が届いたら、何を、いつまでに求められているかを確認し、安全確保と費用の相談を進めましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
空き家の行政代執行は、報道の金額をそのまま相場にしない
広島ホームテレビは2026年7月23日、府中市の倒壊の危険がある木造店舗について、緊急代執行による解体に着手したと報じました。約580万円の解体費用を所有者へ請求する予定とされています。これは個別の建物に関する報道で、空き家の解体費用の一般的な相場を示すものではありません。
工事の範囲、建物の規模、道路や隣接建物の状況、残置物などによって費用は異なります。また、報道された建物が店舗であることから、すべての店舗兼住宅で同じ負担が生じるとはいえません。
通常の代執行と緊急代執行は、手続きが異なる
| 制度 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 通常の代執行 | 特定空家等に対する命令など、必要な手続きを経て措置を行う |
| 略式代執行 | 必要な調査をしても措置を命ずべき者を確知できない場合に、法定の手続きを経て行う |
| 緊急代執行 | 災害その他非常の場合に、緊急に必要な措置をとる必要があり、命令等を行う時間がないなどの要件で行う |
緊急代執行は、単に返事が遅れた空き家を、いつでも行政が解体できるという制度ではありません。建物の状態、緊急性、法の要件に基づく判断が必要です。届いた書類がどの手続きに当たるか、自治体の担当者に確認します。
通知と費用について、自治体に確認したいこと
- 対象の建物と、求められている措置の範囲
- 自分で改善する場合の期限と、報告に必要な資料
- 緊急の立入制限や落下防止など、安全確保の方法
- 代執行が予定・実施されている場合の工事範囲と費用の説明
- 費用の請求先、支払いの案内、事情を相談する窓口
資金の準備が難しい場合も、連絡を避けず、状況を伝えて相談します。支払い方法や支援制度の有無は自治体に確認が必要です。売却を検討しているというだけで、工事や費用の手続きが止まるとは考えないようにしましょう。
店舗兼住宅や共有の物件は、権利と荷物も整理する
店舗兼住宅には、住宅の家財のほか、什器、在庫、他人から借りている設備などが残る場合があります。持ち主を確認せず、まとめて処分を進めないようにします。危険な建物に荷物を取りに入ることも避けてください。
共有物件では、通知を他の共有者に伝え、自治体との連絡役を決めます。登記と相続の資料を確認し、誰が工事を依頼するか、費用をどう分担するかを整理します。内部で決める費用分担と、行政から誰に請求されるかは分けて確認します。
売却を相談する場合も、安全確保への対応は続ける
- 1 / 3自治体へ確認措置、期限、費用、窓口を把握する
- 2 / 3関係者で整理名義、共有者、荷物、工事の情報を共有
- 3 / 3方針を比較自ら改善する案と売却条件を検討する
現状での売却を相談する際は、通知書、自治体とのやり取り、見積もり、建物の状態を伝えます。危険の程度や手続きの段階によって、購入条件や進め方は変わります。
買取会社へ売れば、既に生じた費用や責任まで必ずなくなるわけではありません。工事と費用の扱い、売却対象、契約・引渡しの時期を具体的に確認したうえで判断しましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
老朽化した空き家や店舗兼住宅について、改善の費用と売却条件を比較したい方はご相談ください。自治体からの通知がある場合は、その内容も伺い、専門チームが買取の検討に必要な情報を整理します。
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