空き家900万戸という数字には、借り手や買い手を探している住宅、別荘なども含まれます。すべてが放置され、危険になっている家という意味ではありません。実測された統計と将来予測を分け、自分の物件をどう扱うか考える材料として読みましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
空き家900万戸は、2023年調査の全国の数字
総務省の2023年住宅・土地統計調査の確報では、全国の空き家は900万2千戸、総住宅数に占める割合は13.8%でした。「900万戸」は、この数を大まかに示した表現です。
調査年の異なる数字を現在の実数として扱わないことも大切です。記事や資料で数値を見るときは、発表日と、何年時点の住宅を調べた数字なのかを分けて確認しましょう。
この統計には共同住宅の空室も含まれます。全国に戸建ての廃屋が900万軒ある、という説明は正確ではありません。
空き家の区分は、建物の危険度を示すものではない
| 区分 | 含まれる住宅の例 |
|---|---|
| 賃貸用の空き家 | 貸すために空いている住宅 |
| 売却用の空き家 | 売るために空いている住宅 |
| 二次的住宅 | 別荘や、時々寝泊まりする住宅など |
| 上記以外の空き家 | これらに分類されない、居住世帯のない住宅 |
賃貸用・売却用と二次的住宅を除いた空き家は385万6千戸でした。総住宅数に占める割合は5.9%です。「空き家の5.9%」ではありません。
この区分に入ることだけで、管理されていない、倒壊の危険がある、解体が必要と判断することはできません。個々の建物の状態や、自治体による空家等対策特別措置法上の判断とは別に考えます。
人口だけでなく、世帯数や住宅の使われ方を見る
住宅を使う単位は、人口の人数と必ずしも一致しません。同じ人数でも、一緒に住むか別々に住むかによって必要な住宅の数は変わります。住宅が新しく建つことや、取り壊されることも、空き家の割合に関わります。
また、住まいを探す人がいる地域と空き家のある地域、求める間取りと既存住宅の間取りが一致するとは限りません。全国平均が上がっても、どの地域・物件でも同じ変化が起きるわけではありません。
周辺で実際に売買や賃貸が行われているか、建物の状態や道路条件はどうかを併せて確認します。全国の割合だけで、価格や売れるまでの期間は決められません。
「将来は約25%」は、前提を置いた予測として読む
野村総合研究所は2024年6月13日の発表で、2043年の空き家率が約25%に達するとの予測を示しました。これは将来の推計であり、確定した結果ではありません。発表時点や、住宅の除却等に関する前提を併せて読む必要があります。
同社は、2023年の実際の空き家率が従来の予測を下回った理由として、世帯数の増加等にも触れています。予測と実測が違ったときは、何の前提が変わったかを確認することが重要です。
過去に出された将来予測を、発表年を示さず最新の事実のように引用することは避けましょう。予測は早めに備える材料になりますが、自分の物件の価格を保証するものではありません。
自分の家では、需要・費用・管理の続けやすさを比べる
- 1 / 3周辺を調べる似た住宅の取引や借り手の需要を確認
- 2 / 3状態と費用を見る修繕、管理、売却時の支出を整理
- 3 / 3方針を比較する保有・活用・売却の条件と時期を比べる
将来使う予定があり、管理を続けられるなら、保有しながら状態を維持する選択肢があります。使う予定がなく支出が重い場合は、貸すために必要な費用と、現状で売る条件を比較します。
相続した家であれば、利用の方針と合わせて登記名義や共有者の意向も確認します。「全国で空き家が増えているから」という一つの理由だけで、大きな修繕や解体、売却を決めないようにしましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した空き家や、使う予定のない住宅の売却を検討している方はご相談ください。専門チームが建物、管理の負担、共有・相続の状況を伺い、その物件の条件に合わせて買取を検討します。
不動産会社・仲介会社の方は、物件の買取相談・資料送付はこちら。
