新築マンションの平均価格は、その時期に発売された物件の構成によって変わります。高額な住戸や広い住戸が多い月の数字を、自宅の査定額にそのまま当てはめることはできません。調査対象と計算方法を確かめ、中古の取引とは分けて読みましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
「2億6,520万円」は、いつ、どの物件の平均価格か
不動産経済研究所の2026年7月の調査では、東京23区の新築分譲マンションの戸当たり平均価格は2億6,520万円でした。調査結果は同年8月20日に公表されています。
この数字は、東京23区の住宅すべての平均価格でも、中古マンションの平均成約価格でもありません。その月に発売された新築分譲マンションが対象です。
同じ資料では、首都圏1都3県の平均価格は1億6,493万円とされています。対象地域が違う数字を並べて値上がり率を計算すると、実際とは異なる比較になります。
過去の月次データは、その時点の市場を知る材料です。記事を読んだ時点での最新相場や、自宅の売却価格と同一視しないようにします。
平均価格と中央値は、違う角度から見る指標
平均価格は、対象となる価格の合計を戸数で割る考え方です。一部の住戸が非常に高額だと、平均も上がりやすくなります。中央値は価格を順に並べたときの中央の値で、極端な価格の影響を平均値より受けにくい指標です。
| 見る指標 | 分かること・注意点 |
|---|---|
| 戸当たり平均価格 | 発売された住戸の価格水準。面積や物件構成の影響を受ける |
| 価格の中央値 | 価格を並べた中央付近の水準。自宅の価格を示すものではない |
| ㎡単価 | 面積当たりの価格。立地や築年数などの違いは残る |
不動産経済研究所は、平均値に加え、戸当たり価格や専有面積の中央値も公表しています。両者を比較するなら、対象地域と期間をそろえます。月次の23区平均と、半年分の首都圏中央値を同条件の数字として比べないようにしましょう。
平均の上昇が、すべての住戸の値上がりを意味するわけではない
高額な物件の供給が増えた月には、以前からある物件の価格が変わらなくても、平均値が上がることがあります。平均の変化には、個々の価格の変動と、発売される物件の構成の変化が混ざっています。
反対に、平均価格が高いことだけで「一般の買主がいなくなった」「中古が売れなくなった」と結論づけることもできません。中古の成約件数や価格、地域の反響など、別の情報を確認する必要があります。
初月契約率も、その月に発売された新築の契約状況を示す指標です。自分の中古マンションが売れる確率として読み替えることはできません。
自宅の売却では、中古の成約と競合物件を確認する
自宅の価格を検討するときは、同じ建物や近隣で、広さ、階数、向き、築年数などが近い中古の成約を確認します。事例が少なければ、比較する範囲を広げた理由と、条件の違いを担当者に説明してもらいます。
売出中の物件は競合を知る材料になりますが、まだ売れた価格ではありません。売出価格、成約価格、査定額を分けて扱いましょう。
- どの地域・期間・物件を基にした査定か
- 新築と中古、所有権と借地権などを混ぜていないか
- 室内の状態、管理費や修繕予定を反映しているか
- 価格の幅と、売却までの想定期間はどうか
共有持分や賃貸中の住戸は、所有権のある空室全体と条件が異なります。一般的な相場に持分割合を掛けるだけで、持分の売却価格が決まるわけではありません。
価格のニュースは、比較を始めるきっかけにする
- 1 / 3対象を確認時期・地域・新築か中古か
- 2 / 3近い事例を見る住戸・管理・権利の条件
- 3 / 3提案を比べる手取り・必要作業・引渡し
相場が上がった、下がったという見出しだけで、売却を急いだり待ち続けたりする必要はありません。自分の利用予定と維持費を整理し、実際の提案を確認します。
仲介と買取を比較する場合も、見込みの売出価格と、条件付きの買取提示額をそのまま並べるだけでは不十分です。それぞれの価格の位置付け、費用、調査や手続きの条件をそろえて判断しましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相場のニュースと自分の物件の条件が違い、売却方法に迷っている方はご相談ください。共有持分や相続不動産について、専門チームが買取条件を確認します。
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