相続不動産の手続きは、相続人と財産を確かめ、期限のある手続きを確認するところから始めます。売るか残すかの相談は、登記や税の準備と並行して進められます。全部を一度に決めようとせず、必要な確認を整理しましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
1.相続人・遺言・不動産と借入れを確認する
土地と建物の登記、固定資産税の通知、購入時の契約書、借入れや賃貸借契約などを確認します。税の通知だけでは分からない不動産もあるため、遺された資料を照合することが大切です。
相続人の範囲は戸籍等で確認し、遺言の有無と内容も調べます。家族の記憶だけで、誰が何を受け継ぐかを確定しないようにしましょう。
相続放棄を検討する場合は、売却や家財の処分を先に進めず、弁護士や家庭裁判所等へ必要な手続きを確認します。
2.相続放棄・税・登記の期限を分けて把握する
| 主な手続き | 原則となる期限 |
|---|---|
| 相続放棄 | 自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内 |
| 相続税の申告・納税 | 申告が必要な場合、死亡を知った日の翌日から10か月以内 |
| 相続登記 | 自分の相続開始と不動産取得を知った日から3年以内 |
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。それ以前の相続で既に取得を知っている未登記不動産は、2027年3月31日が対応期限です。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となります。
遺産分割が終わらなくても、税や登記の期限が自動的に延びるわけではありません。登記では相続人申告登記を利用できる場合もありますが、売却のための登記と同じではないため、後に必要な手続きも確認します。
3.不動産をどう分けるか、家族の希望と資金で考える
| 方法 | 考え方 |
|---|---|
| 現物分割 | 複数の財産を、それぞれの相続人が取得する等 |
| 換価分割 | 不動産を売って、代金から費用等を精算して分ける |
| 代償分割 | 一人が取得し、ほかの相続人へ代償金を支払う |
| 共有で取得 | 持分を決めて共有し、管理や将来の方針も確認する |
住み続けたい人がいる場合は、代償金を用意できるか、管理を続けられるかも判断材料です。共有にする場合は、利用、費用、連絡、将来の売却について話し合います。
話合いが難しい場合は、弁護士への相談や家庭裁判所の遺産分割調停等を検討します。持分売却だけで、遺産全体の問題が必ず解決するわけではありません。
4.相続税と、売却したときの税金を分けて確認する
相続税は受け継ぐ財産等をもとに計算し、不動産を売ったときの譲渡所得税は売却代金、取得費、譲渡費用等をもとに計算します。相続税がかからなくても、売却時の税金が発生する場合があります。
取得費加算の特例は、一定の要件のもとで相続税額の一部を取得費に加える制度です。葬儀費用そのものを、不動産の取得費に加える制度ではありません。
空き家の特別控除などにも、建物や利用状況、売却期限の条件があります。売却価格だけでなく、必要な申告や手元に残る金額を税理士等と確認しましょう。
5.相談先を分け、確認できた情報を共有する
- 1 / 3権利と登記相続人・遺言・争い・登記を確認
- 2 / 3税と資金申告の要否、期限、納税資金を確認
- 3 / 3不動産の方針現況、売却条件、管理の負担を比較
登記は司法書士、争いの解決は弁護士、税は税理士、不動産の売却条件は不動産会社など、内容に応じて相談先を選びます。連絡役を決め、資料の確認状況や希望日程を共有すると、同じ説明の繰り返しを減らせます。
売却の準備や物件ごとの注意点は、下の関連記事で詳しく確認できます。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した不動産の売却について、登記や遺産分割を確認している段階からご相談いただけます。専門チームが現在の状況を伺い、買取条件と売却までに確認する事項を整理します。
不動産会社・仲介会社の方は、物件の買取相談・資料送付はこちら。
