親の認知症と実家の売却は、診断名だけで「売れる・売れない」を決められる話ではありません。本人が契約の内容や結果を理解できるか、誰が契約する権限を持つかを確認します。まず本人の住まいや生活費、希望を中心に、家族で事情を整理しましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
親の認知症と実家の売却は、意思能力を確認する
民法では、意思能力がない状態で行った法律行為は無効とされています。認知症という診断があることと、個々の契約について意思能力がないことは、同じではありません。
売却する物件、代金、住まいの変化などを本人が理解できるかが重要です。家族だけで「会話ができるから大丈夫」「診断されたから一切売れない」と判断せず、医療面の情報も踏まえて司法書士や弁護士等へ相談します。
意思確認が難しい状態で、本人に署名だけを求めたり、内容の説明を省いたりして契約を進めないでください。
子どもであるだけでは、親の代わりに売れない
親が単独で所有する実家について、子どもが将来相続する予定でも、そのことだけで現在の売却権限はありません。家族全員が賛成していても、本人の意思や適切な代理権の確認は必要です。
代理で売却する場合は、有効な委任の有無と範囲を確認します。本人が内容を理解できない状態になってから、家族が委任状を作れば解決するわけではありません。
家が共有であれば、誰の持分を売るのかも明確にします。家族の話合い、所有者の意思確認、契約する人の権限は、それぞれ別の確認です。
成年後見を利用する場合は、売却の目的と許可を確認する
判断能力の状態に応じ、成年後見制度の利用を検討することがあります。家族に代わって便宜的に売却するための仕組みではなく、本人の権利や利益を守る制度です。
成年後見人等が本人の居住用不動産を処分するには、家庭裁判所の許可が必要です。施設入所で現在は住んでいない場合でも、入所前の自宅等が対象に含まれます。許可を得ない処分は無効となります。
保佐人・補助人が代理する場合は、不動産を処分する代理権が付与されていることも必要です。売却の必要性、査定、契約条件等の資料を用意し、担当の裁判所の案内に沿って進めます。
家族でまとめておくと役立つ確認表
| 確認すること | 整理したい内容 |
|---|---|
| 本人の暮らし | 住み続ける希望、施設の予定、住み替え先、生活・介護費 |
| 所有関係 | 土地と建物の名義、共有持分、担保 |
| 判断と権限 | 本人の理解の状況、委任、後見・保佐・補助の利用状況 |
| 物件の状態 | 居住者、家財、修繕が必要な箇所、毎年の管理費 |
| 売却の条件 | 価格、引渡し時期、残す物、移転に必要な費用 |
売却代金が本人に帰属する場合、家族が自由に使えるお金とは扱えません。売却後の住まいと必要な資金まで含めて検討することが大切です。
査定は準備の一つ。契約できるかの確認も並行する
価格や現状での引渡し条件を知ることは、保有費や介護費と比較する材料になります。一方、査定が出たことは、契約権限や裁判所の許可が整ったことを意味しません。
SAの専門チームへは、空き家の状態、家財、共有などの事情を含めて売却条件を相談できます。意思能力や代理権の問題は、必要な手続きを確認しながら進めます。
判断能力に心配がないうちには、本人が住まいをどうしたいか、書類をどこに置いているか、誰へ連絡するかを話しておくと役立ちます。急いで売る結論を出す必要はありません。
売却の進め方を、専門チームに相談する
実家の管理や売却の条件を比較したい方は、現在の名義と利用状況をお知らせください。専門チームが物件の状態を伺い、本人の希望や手続きの状況を踏まえて買取条件を検討します。
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