2025年の不動産市場は、全国の地価が上昇する一方で、地域や用途による差も見られました。過去の見通しをそのまま将来予測として読むのではなく、公表された実績と、所有する物件の条件を分けて振り返ります。
内容確認・更新:2026年10月16日
2025年の地価調査では、住宅地・商業地とも全国平均が上昇
国土交通省の令和7年都道府県地価調査では、全国平均の対前年変動率は住宅地が1.0%、商業地が2.8%でした。いずれも4年連続の上昇となっています。
これは2025年7月1日時点の基準地の価格を、前年の継続地点と比較した結果です。2025年1月から12月までの売買成約価格の平均や、すべての不動産の値上がり率を示すものではありません。
| 地域 | 住宅地 | 商業地 |
|---|---|---|
| 全国 | +1.0% | +2.8% |
| 東京圏 | +3.9% | +8.7% |
| 大阪圏 | +2.2% | +6.4% |
| 名古屋圏 | +1.7% | +2.8% |
| 地方圏 | +0.1% | +1.0% |
出典:国土交通省「令和7年都道府県地価調査」第2表。圏域は調査で定義された範囲です。東京圏と東京都全体、大阪圏と大阪府全体は同じ集計ではありません。
全国平均だけでは、地域の動きは分からない
2025年の調査では、東京圏・大阪圏は住宅地と商業地の上昇幅が拡大しましたが、名古屋圏の上昇幅はやや縮小しました。上昇していても、その勢いまで全国一様だったわけではありません。
地方圏のうち札幌・仙台・広島・福岡の4市を除く地域では、住宅地の平均変動率が0.0%となり、長く続いた下落から横ばいに転じました。ただし、この平均の中にも上昇地点と下落地点があります。
自分の土地に近い基準地を見るときは、駅への距離だけでなく、道路、用途地域、周辺の利用状況等を比べます。基準地の数字をそのまま相続した実家の価格へ置き換えないことが大切です。
マンション・オフィス・ホテル・物流施設は、違う指標で見る
| 物件の種類 | 価格とあわせて見る情報 |
|---|---|
| マンション | 成約価格と売出価格、在庫、面積・築年・管理状態 |
| オフィス | 空室率、募集賃料と契約条件、設備・改修費 |
| ホテル | 宿泊単価、稼働、運営費、営業を続けるための条件 |
| 物流施設 | 空室、契約期間、交通アクセス、設備と維持費 |
地価調査は土地の動きを知る資料です。建物の運営収支や、個々の区分マンションの成約価格を直接示しているわけではありません。種類の違う統計を並べる場合は、何を測っているかを確かめます。
例えば募集賃料が上がっても、空室や修繕費が増えれば手元に残る利益は増えない場合があります。宿泊客が増える地域でも、個々の建物の状態や運営契約によって売却条件は変わります。
ニュースに出た一部の好調な大型物件を、小規模な賃貸住宅や古い店舗にもそのまま当てはめないようにしましょう。
金利や建築費の動きも、物件への影響を分けて考える
金利が上がると、購入者の返済額や借入可能額に影響することがあります。ただし、自己資金、借入条件、用途、需要によって影響は異なり、金利だけで価格の上下を決めることはできません。
建築費の上昇も、新築価格、既存建物の修繕、建て替え後の採算という複数の面があります。中古物件の相対的な魅力が高まる可能性と、購入後の費用が増える可能性の両方を確認します。
2025年当時の見通しを、今の融資条件や修繕見積もりの代わりにはできません。実際に売却する時点の条件で、価格と必要な費用を確かめてください。
相続不動産や共有持分は、相場と個別事情を重ねて判断する
- 1 / 3市場同じ時期・地域・種類で比較
- 2 / 3物件権利・接道・建物・利用状況
- 3 / 3条件価格・負担・時期をそろえる
相続した空き家では、名義、片付け、修繕、道路との関係が売却の進め方に影響します。共有持分では、土地全体の価格だけでなく、共有者や利用者との関係、持分単独で売る条件を確認します。
例えば地域の住宅地が上がっていても、再建築の条件や境界が未確認なら、買主が必要とする調査が増えることがあります。平均の上昇率を掛けるだけでは、その負担を反映できません。
今すぐ売るか保有を続けるかを比べる際は、査定額に加え、維持費と必要な対応、使う予定を整理します。市況の一つの数字で急いで決めず、物件ごとの選択肢を比較しましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した空き家、共有持分、再建築の条件が気になる土地などは、専門チームへご相談ください。市場の動きと物件の状況を分けて確認し、買取条件を検討します。
不動産会社・仲介会社の方は、物件の買取相談・資料送付はこちら。
